第68回 京都ちーびず応援カフェ
~『普段使いのちーびずギフト』プロモーション~

 ちーびず応援カフエが3月16日(金)ルビノ堀川で開催され、70名を超える参加者が集まりました。京都各地域のちーびず関係者、団体関係者、京都府職員、中小企業診断士らが、8つのグループに分かれ、熱いデイスカッションがなされました。また、ちーびずアドバイザーの対馬氏による講演、「ちーびずギフト」の紹介、ちーびずに取り組んでいる25の団体による物品の展示・試食・販売も行われ、大いに賑わいました。

1.講演 「買う人がいる特産品をつくろう!」 ちーびずアドバイザー 対馬 則昭 氏 (ビオラビット シェフ)

 京都府地域力ビジネス課 長友理事の開会あいさつの後、ちーびずアドバイザー 対馬 則昭 氏による講演がありました。「食と健康」に関するお話を中心に、今、どのような食品が求められているのか、食品の生産・製造・加工・販売に携わる者として、どのような食品を提供しなければならないのかについての話がありました。
 今、ほとんど全ての人が健康に対して何らかの悩みを抱えており、その原因の多くは、食生活によるものであって、病院にかかる前に自主的に自分の健康を管理するために、食生活を見直すことの重要性を説明されました。その上で、食に対する正しい知識を身に付け、マスコミやメディアの情報を鵜呑みにすることなく、何が正しくて何が正しくないのかをきちんと見極めることの必要性を訴えかられけました。糖質を例に挙げ、「すべて悪いとは言わないが、個々にとっての必要量を知り、採り過ぎた時の影響を認識することが大切である」と説明されました。



2.「ちーびずギフト」の紹介、試食・交流会

 次に、府庁女子チームによる「ちーびずギフト」の紹介と、25団体の出展者による、「普段使いのちーびず製品」の試食・販売会がありました。スイーツ、ジュース、お茶、お酒、調味料、ハム、水産加工品などといった地域の特産品を生かした様々な製品が並び、試食や販売を通じて参加者同士で交流を深めました。

    

3.グループごとの交流と意見交換

 参加者は8つのグループに分かれ、それぞれが自己紹介をした後に、意見交換を行いました。本日の意見交換のテーマは、「①楽しいストーリー、元気な人たちの「ちーびず(地域力ビジネス)」を出し合おう!」と「②京都ちーびずプラザを活用しよう!」です。京都ちーびずプラザとは、京都府庁内に設置される京都ちーびずのアンテナショップであり、ここの活用について各グループで検討が行われました。
 7班では、ヒントとなりそうな事例が紹介されました。それは、毛原の棚田ワンダービレッジプロジェクトが生産している「黒豆の粕漬け」です。新聞で取り上げられてから、現在は大人気となっており、生産が追い付いていない状況とのことでした。これは、30年前にこの地域の女性たちが開発した、丹波地方ならではの食材を使った粕漬ですが、少し前までは既に作られなくなっていたそうです。このままではこの食品が継承されないまま、人々の記憶からも消えてしまうのではないか、きちんと後生に伝えたい、という地域の有志による想いがこの食品の30年ぶりの生産につながりました。地域に住むおばあちゃんから、この製法を伝授してもらい、女子グループが商品化をしました。また、この「黒豆の粕漬け」は、プロモーションにも力を入れられた商品であり、パッケージには、生産者である地域の女性たちをイラストにしたものが使われています。そして、商品チラシでは、「復刻版」ということ、地域での取り組みが紹介されています。実はこのようなアイデアの多くは、この地域で開催されたちーびずカフェの参加者から発案されたものだそうです。そこで、7班では、カフェの開催などによる、いろいろな人からアイデアを募ること、そして、女性たちを前面に出すこと、商品のストーリーを考えること、これらを提案としてまとめました。
 また、7班では、ちーびずプラザの活用については、生産者によるイベント開催、新製品の試食会、発表会の開催を提案しました。生産者の声を聞くことは買い手が購入意欲をかきたてられる機会となることと、売り手にとってはいろいろな人から意見を聞くことができることで商品の開発・改良につながる機会となることがその理由となっています。

    

 8班では、商品開発・提案の際には、ネーミングやキャッチコピー、パッケージが重要で、商品の特徴、ストーリーを簡潔に伝え、消費者の興味を引くようなものを考える。そして、買った人がほかの人にも語れるような特徴やエピソードをアピールして、口コミでの広がりをつくろうという意見が出ました。
 また、販路については、地域の人が集まるサロンや交流会の場、イベントなどに積極的に参加して紹介・販売を行うことや、今までの人脈や取引先を活用して新商品を提案するなどのアイデアが出ました。
 さらに、ちーびずプラザの活用については、自分たちの商品をアピールするためのプロモーションビデオなどをつくり、来場者に見てもらえるようにすればいいのではないかという提案がありました。

4.講評、挨拶  京都府知事 山田 啓二 氏

 最後に山田知事から、
 「ちーびず」に取り組み始めて6年がたち、質・量ともに順調に向上してきて、さらにこれからの発展が楽しみになってきたが、これからは販路をいかにして確保・拡大していくかが課題となる。最近は道の駅をはじめとする郊外の賑わいが活発になっている。これは、消費者が近くの百貨店や店舗で買えるものではなく、その土地でしか買えないもの、新鮮なものを求めているということであり、それだけ地域ビジネスに対する理解と関心が深まっている。是非このチャンスを活かして販売に繋げてほしい。
 とのお話がありました。

 今回のちーびずカフェで多くの人と意見交換を行い、アイデアを出し合うことで、いろんな気付きを得ることが出来たと思います。参加者の皆さんの今後の取り組みの更なる発展が期待できる非常に有意義な一日となりました。

●平成30年3月22日掲載【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 梅林 守

【問い合わせ先】 京都府地域力ビジネス課(京都府ソーシャル・ビジネスセンター) 電話075-414-4865

 

京都ちーびず(京都地域力ビジネス)