第60回 京都ちーびず応援カフェ&セミナー in 南丹市美山町向山区

 京都地域力ビジネス応援カフェ&セミナーが11月22日(水)、南丹市美山町向山区の「向山公民館」で開催されました。地元向山区の皆さん、ちーびず推進員、京都府職員など多彩な参加者21名が集い、賑やかに交流しました。今回のセミナーは、フードコーディネーター&シェフの対馬則昭氏を講師にお招きし、「買う人がいる特産品を作る!」をテーマにお話しいただきました。また3グループに分かれて、お互いの自己紹介をしながら、地域特産品である「ゆず」を使った食品の試食や、向山区の特産品について、「どのようなものを、どんな販路を使って販売すればよいか」をテーマにディスカッションなどを行い、これからいかに自立し、継続的な活動をしていくことが出来るかについて熱心に語り合いました。

1.向山区の活動紹介  向山区 区長 福井 義昭氏 ・ 大澤則子氏

 向山区 区長の福井さんから、向山区の活動について、地域活性化のために平成19年から、ゆずの栽培に取り組み始めたこと、獣害対策を施しながら育てて、ようやく実を付けるようになったが、まだまだ収穫量が安定しないことなどの説明がありました。
 次に、向山区女性グループの大澤さんから、地元の旬の食材やゆずを使った、過去4回の「ちーたび」について、説明がありました。



2.ちーびずセミナー 講師:ビオラビット フードコーディネーター 対馬 則昭 氏

 次に、ビオラビット フードコーディネーターの対馬氏から、「買う人がいる特産品をつくる!」をテーマに、売れる特産品を生み出すポイントについてのお話をいただきました。対馬氏は、ホテルレストランのシェフを経て、レストラン経営に携わり、現在はフードコーディネーターとして、食に関する様々な活動を行っています。売れるものを作るポイントとして、大きく次の4点をあげて説明されました。
① 売り手側と買い手側の認識のギャップをしっかりと理解すること
買い手側の気持ちに立って考えることが重要で、作る側の想いが強ければ強いほど、ものづくりが独りよがりになってしまい、買い手の気持ちが見えにくくなる。
② どこにでもあるものは「特産品」ではない
「特産品」である以上、「特別な」「生産品」でなければならない。どこにでもあるものではだめであり、どこにも売っていない、向山区独自のものを生み出さなければならない。
③ 「おいしい」だけではだめである
ただ単に「おいしい」ものはいくらでもある。「おいしい」と同時に、「体に良いもの」でなければならない。健康を阻害 するような商品はこれからは避けられる。例えば糖質のとりすぎは体に非常に良くない。健康を考慮した商品の開発が求められる。
④ 狙いを絞る
例えば食品は、(1)日配品(日々消費するもの・安価)、(2)嗜好品(値段はやや高め)、(3)贈答品の3つに大きく分けられる。これらのどこを狙うかである。量を販売するなら(1)、高く売るなら(2)、お土産としてもらってうれしいものを販売するなら(3)になるが、ターゲットを絞り込むことが大切である。100円のものを100人に売るか、1000円のものを10人に売るか。いずれも売り上げは10000円だが、どちらの方向性を取るかを明確にしなければならない。



3.グループによる意見交換会

 最後に、3グループに分かれて、「向山区の①商品の販路 ②買う人がいる特産品をつくる!」をテーマに、活発な意見交換会が行われました。私達のグループでは、テーマにこだわらず、様々な意見交換を行いました。出された意見を次の3点にまとめました。
① 「売り方」・・・「桜」「紅葉」「冬至」「自転車レース」など、季節のイベントで人が集まる時期に合わせて、生産品を販売する。自分たちだけではなく、地域全体で行うことによって売上向上を目指す。必要に応じて、行政も巻き込む!
「広告・宣伝」・・・告知の方法は、行きたくなるようなメッセージを盛り込む。「自分が行きたいか、自分が買いたいか」を常に問いかけ、検証する。
② 「商品」・・・「健康」と「美容」をキーワードにして商品開発を行う。
「健康」であれば、体に悪影響を及ぼすものを入れない、低糖質、低アレルギー、オーガニックなどを意識した商品開発を行う。「美容」であれば、ゆずから抽出した成分でエッセンシャルオイルや化粧品を作る、など。
「毎日使うもの」として、ゆずみそ、ゆず米みそ、ゆず塩などはどうか。原材料は、向山区だけで調達しようとはせず、他地域とコラボレーションすることも検討すれば、考えられるバリエーションが広がる。
③ キャラクターのネーミング募集!
せっかくキャラクターを作ったのに、名前がないのは非常にもったいない。これを機会にネーミングを広く公募し、認知度を上げるきっかけにする。名前がつけば、さらに愛着も沸き、対外的にもアピール度が増す。

 今回の応援カフェ&セミナーでは、交付金に頼らず自立を目指すために、どのような活動をするべきかを真剣に話し合い、向山区の皆さんの意識が変わるきっかけになったと思います。皆さんの活動がより活発化して、今後に向けて新たな一歩を踏み出すことが大いに期待できる一日となりました。

 

●平成29年12月8日掲載【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 梅林 守

【問い合わせ先】 京都府地域力ビジネス課(京都府ソーシャル・ビジネスセンター) 電話075-414-4865

 

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