第57回 京都ちーびず応援カフェ&セミナー in 与謝野町
~アケテラスのちーびず的な ①活用方法 ②運営方法 を考える!~

 10月16日(月)、地域力ビジネス応援カフェ&セミナーが与謝野町明石(あけし)にある「アケテラス」で開催され、17名の参加者がありました。アケテラスは、それまで空き家であった古い民家を再生し、今年4月にオープンしたばかりのコミュニティスペースです。アケテラスオーナーの松本さん夫婦、与謝野の地域を元気にする活動に取り組んでいる地元の方、ちーびず推進員、与謝野町職員、京都府職員、中小企業診断士など多彩な参加者が、アケテラスに集まり、にぎやかな交流の場を持ちました。
 まずは、オーナーの松本健史さんから、古民家を再生してアケテラスとして蘇らせるプロジェクトに取り組んだ経緯と、プロジェクトの現在の活動内容について、お話しをお聞きしました。そして、中小企業診断士による『経営計画の立て方について』というテーマのミニセミナー開催の後、交流会・意見交換会として、アケテラスの活用方法と運営方法を参加者全員で考えました。参加者は熱心に意見交換に取り組み、いろいろな意見が飛び出し、熱く語り合うことができました。

1.明石の家プロジェクトの活動紹介

 明石の家プロジェクトの取り組みの経緯と活動の内容を、松本さんよりお話しして頂きました。10数年前に、よその土地からやってきた松本さんが、地域で昭和2年に建てられた古民家が取り壊されようとしていたことを知り、何とかしたいと思ったことがスタートでした。京都府の地域力ビジネス交付金を活用して、この家の再生を通じた地域活性化に取り組みました。アケテラスという名前は、「明石を明るく照らす」という意味があり、空き家を再活用し、地域を元気にする先駆けとなる取り組みにしたいという思いから名付けられました。
 この家の床板をはずすと、床下には広いスペースがあり、かつてここで養蚕をしていたそうです。この地域は、古くから養蚕が盛んで、この地域が「桑飼」と呼ばれていたことからもその歴史がわかります。松本さんは、そんな歴史を知り、この地下スペースをあえて残すことにしました。
 現在、アケテラスはレンタルスペースやパソコン教室などの開催をはじめ、ここをスタート地点とするウォーキングイベント、地域の人々が集まるスナック企画や、着付け教室、引きこもり支援での利用など、様々なイベントの企画が進行中です。
アケテラスをオープンさせてから、ここの存在を知るようになった様々な人たちから声がかかるようになってきました。このアケテラスには、人を引きよさせる不思議な魅力があります。



2.経営計画の立て方について

 中小企業診断士による『経営計画の立て方について』というテーマでセミナーを行いました。
 ビジネスを始めるためには、下記の3つのことを考える必要があります。
 1. ビジネスモデル(事業の仕組み)を考える
 お客様は誰で、どんな価値を提供するのか、儲かるための仕組みを考える
 2.計画をたてる
 目標を作り、それを実現するための具体的な数字を考える
 3.アクションプランをたてる
 計画を実現するための具体的な行動を考える
 少しずつでもビジネスをこれから始めたいと思う人が考えるべき内容について、ポイントをわかりやすく説明しました。



3.グループごとの交流と意見交換

 参加者は2グループに分かれ、それぞれが自己紹介をした後、意見交換を行いました。本日の意見交換のテーマは、「アケテラスのちーびず的な ①活用方法 ②運営方法 を考える!」です。アケテラスをどのように活用して、運営していくのか、各班で活発な意見交換が行われました。
 1班では、「地域の健康に役立てる」というテーマを考え、本日の参加者が連携してアケテラスを利用することを提案しました。例えば、運動、リハビリ、メンタル面の健康促進といったアイデア、障がいのある人でも利用できる着物の着付け、快適な睡眠を提供する講座、といった案も出されました。これらは、本日の参加者が連携することで、実現していくことができる内容です。
 また、この家に入るためには少しの段差があるため、手すりなどを取り付けることで、高齢者や身体の不自由な方でも利用しやすい場所とすることも提案されました。
 一方の2班では、まずはアケテラスの存在と場所を多くの人に知ってもらうことが必要であり、そのためには看板の設置やグーグルマップへの登録などもしていくと良いのではないかという意見が出ました。そして、地域にアケテラスの協力者をどんどん増やしていくことが大切で、もっと多くの地域の人にここを知ってもらい、ここで様々な活動に関わってもらうことで、アケテラスの運営はうまく回っていくという意見が出ました。
 最後に、松本さん夫婦から、いろいろなイベントを行っていくことで、地域の信頼を得ることができ、アケテラスを地域の人にもっと利用してもらい、地域の人が集まる場所としてもらえるようにしていきたいという発表をして頂きました。
 本日のカフェは、参加者による活発な意見交換の場となり、アケテラスが与謝野の元気な地域づくりになくてはならない拠点となってもらいたいという参加者全員の思いを感じることのできるものとなりました。

●平成29年10月21日掲載【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 柿原 泰宏

【問い合わせ先】 京都府地域力ビジネス課(京都府ソーシャル・ビジネスセンター) 電話075-414-4865

 

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