京都地域力ビジネス(ちーびず)セミナー in 与謝野町
「ちーびず継続計画の作り方!(第2回)」
平成29年1月19日(木)、前週の大雪の影響が残る中、与謝郡与謝野町の「リフレかやの里」にて、「京都地域力ビジネス(京都ちーびず)セミナー」を開催しました。今回のテーマは、「ちーびず継続計画の作り方!第2回 お金の使い方」で、一般参加、京都府、中小企業診断士合わせて8名が参加しました。
各自自己紹介のあと、テキストに沿って「お金の使い方」を解説しながら、参加者同士の意見交換を行い、近況報告や抱える悩みの発信を通して交流を深めました。
1.京都地域力ビジネス(京都ちーびず)セミナー 第2回 講師 藤村 正弘
今回初参加の方もいらっしゃったため、最初に「京都地域力ビジネス(京都ちーびず)の意義」や「ちーびず継続計画書の概要」など第1回の内容をおさらいしたあと、「お金の使い方」について、次のような内容で解説を行いました。
① どうすれば黒字になる?売上と費用の関係
② 変動費と固定費の考え方
③ 変動費率とは何か?
④ 活動目的により区分する固定費の使い方
地域力ビジネスについては、通常のビジネスのような利益を確保するための費用のほかに、地域課題解決のための費用を捻出する必要があり、一方で地域の方の新しい働き方を生み出すことも考えなければなりません。
そのためには、
① 変動費率(売上に直接連動して発生する原価)を下げる努力をしながら、地域課題解決のために志を同じくする仲間からは応援価格での仕入も考える。
② 固定費を「地域の課題解決」「ビジネス的手法関連」「活動の管理」という目的に区別してとらえ、いずれにも該当しないものは支出しない。
③ 雇用には一定の時給レベルや労働保険など法で定められたコストがかかることを認識する。
④ 特に二年目以降は、補助金を前提にしない費用支出を意識する。
との説明を行いました。
2.意見交換
各自が認識している地域解決のための課題について、活発な意見交換が行われました。
① 地元へ帰って、地域に貢献したい人はいるが、地元事業者の求人広告などへの支出余力がないため、採用情報が十分届いておらず、ハローワーク以外で採用が難しいという悪循環に陥っている。
② 観光客の呼び込みも重要に違いないが、それ以前の問題として、地元の人が丹後のおいしい食材などの魅力を理解せず、近隣の商店などを利用しないところに、本質的な問題がある。
③ 旅館は、地域振興第一ではなく、観光客の買い物消費を自社施設内で囲い込む戦略に転じている場合があり、外へ出て街歩きを楽しむ環境を発信できていない。
④ 市販地図は観光客向け情報が極端に少なく、また地元で作成した場合も作成者の我田引水的な意図が見えるケースが多い。そのため、せっかくの丹後の魅力を伝えることができず、観光客のために真に役立つ情報を入れたMAP作りを急ぎたい。
など時間が足りなくなるほど、参加者の皆さんの問題意識が高く、議論に熱を帯びたのが印象的でした。
●平成29年1月26日掲載 【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 藤村 正弘