京都地域力ビジネス応援カフエ
~府庁女子ちーびず応援チームと意見交換~
地域力ビジネス応援カフエが3月8日(火)ルビノ堀川で開催され102名の参加がありました。
京都各地域のちーびず関係者や団体関係者、京都府職員に加え、中小企業診断士が、8人で1班のチーム組み、合計12チームで熱いデイスカッションがなされ、全体の前での各グループの発表がありました。また、19カ地域の団体の販売品の展示があり、大いに賑わいました。
1.地域の課題12分野のケース発表と知事講評
今回の地域ビジネス応援カフエでは、事例発表、デイスカッションともに
①地域力再生②自然環境保全③男女共同参画④文化芸術振興⑤高齢者支援⑥少子化対策⑦子育て支援⑧商店街振興⑨観光振興⑩農村振興⑪農業担い手支援⑫農業振興地域ブランド戦略の12分野で各チームに京都府職員女性スタッフが1名入る形で行われました。
事例発表で共通していた事は、他分野チームとの人や情報のつながりが大切ということでした。
山田知事の講評では、地域が元気になることで国の施策である地域創生、1億総活躍社会につながっていくとの言葉がありました。
また、事例発表の講評では随所で、海の京都・森の京都・お茶の京都構想など京都府としての構想の関係性の説明がありました。
2.各グループで交流と熱心なデイスカッション
デイスカッションにおいて当職の班のテーマは文化芸時術振興でしたが、亀岡地区の土産産品をケースとしてデイスカッションしました。
地域の歴史をそのまま紹介するような見せ方では一般的に過ぎいかに戦略的に行くのか、観光客のためのものにするのか、土産贈答品用途にするのかなどの論議がありました。
全グループのデイスカッション後の代表発表では、最終的には連携(人の繋がり)が大切という意見が多く、山田知事の事例発表の講評と一致していました。
また、一部、地域の商品の売り方、見せ方が分からないという意見があり、機動的に分野の専門家の派遣を受ける事も大切なのではないかと思えました。
●平成28年4月27日掲載 【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 西川豊
【問い合わせ先】 京都府地域力ビジネス課(京都府ソーシャル・ビジネスセンター) 電話075-414-4865
◆グループ意見交換会レポート2班
2班は自然環境保全課四方さんから地域と連携した丹後海と星の見える丘公園の里波見カントリーフレンズの取組を発表されました。アイデア出しは里波見カントリーフレンズの現状の課題と解決策を府民協働でやれることを考えました。
現状の課題は①認知度アップ、②販路開拓、③食堂の環境改善等でありました。
解決策①うみほしグループの体験活動での看板の制作、②人脈で地域外の高齢者への配食、③夏の熱中症防止のために、緑のカーテンの早期取組、食堂内クーラーの設置の支援を依頼する。
長友課長よりの総評は「人づくりをすることにより府民が輝くことにつながる。地域づくり・町おこしのためには市場がないことには、話にならない。そこで、お互いが市場になり、共感者になることが何より大切である。」とのお話でした。みんなで遠方から来られた方の出品を買いました。
【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 久保憲司
◆グループ意見交換会レポート5班
5班では高齢者支援をテーマに意見交流会を行った。ビジネス面でのアイデアや相談したいことなどについて、フリートークで意見交換がなされた。メンバーの方々は糖の吸収を抑えるお茶の製造販売や配食、弁当など高齢者向けの事業に従事されている。ターゲット層の絞り込みや、商品開発、PRの工夫など日頃従事している仕事から思いつくアドバイスが行われた。
また、一方で高齢者が自分に合ったスタイルで社会とどうつながっていくか、活き活きとした社会づくりはどうしたらいいのかという点も議論された。街づくりとしては共生や住民参加をテーマに行われている「シェア金沢」をイメージした「コンパクトなコミュニティー」を作っていくのがいいのではないか、との意見が出された。高齢化・過疎化が進む街では子育て世代の移住や観光客の呼び込むことで活性化を図るという意見も出されるなど、幅広い意見が交換できた一日となった。
【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 鬼頭靖彦
◆グループ意見交換会レポート 6班
6班では、「婚活に一歩踏み出すための後押しとは?」をテーマに意見交換を行いました。活発な討議の結果、次の4つの提案が出ました。
①「婚活」から「恋活」に
「婚活」となると、どうしても尻込みをしてしまって参加への思い切りがつかないという声が多い。結婚を意識せず、もっと気軽に出会いの場に参加をしてもらうために、初心者向けには、「恋活」という表現にかえて、内容もあまり堅苦しくないものを考え、参加へのハードルを低くすることを考えてはどうか。
実際の事例では、参加者同士が一緒に農作業などの体験をして交流を深めるといったイベントは好評だったとのことである。一緒に体験を共有することで、共通の話題もでき、お互いの距離も縮まる効果がある。
②「ちーたび」+「婚活」
地域力ビジネスという視点から、ちーたびと婚活イベントを組み合わせてはどうか。黒豆の収穫や地鶏バーベキューなどを行って参加者に楽しんでもらっている事例もある。地域の魅力アピールと出会いの場の提供が同時に実現できる。
③「婚活」のシリーズ化
せっかく勇気を出して参加をしても、一回会っただけでは決められない、もっといろんな人と話しがしたかったというような声が上がっている。一度きりの参加で終わらせないためにも、同じメンバーで2〜3回の複数回開催をすることで、よりお互いを知る機会が増え、参加者の満足度が高まるのではないだろうか。
④情報発信の強化
一歩踏み出せない人のために、婚活、恋活、相談など、いろんなチャネルを設けるとともに、気軽に利用してもらうための情報発信を強化してはどうか。HPのアクセス数はそれなりにあるので、興味を持っている人は多いはずである。しかし、興味はあるがどんな内容なのかイメージがわかずに参加をためらっている人が多いと考えられる。このような潜在顧客を顕在化させるために、実際にイベントに参加した人の体験談や、具体的なイベント内容、どのようなプロセスで婚活を進めるのかなど、情報発信の質、量ともに高めていくことが必要ではないだろうか。また、気軽に相談や質問ができるような体制づくりも合わせて行ってはどうだろうか。
【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 梅林守
◆グループ意見交換会レポート 8班
8班には、市内の商店街振興に関わっている方や、宿泊事業に関わる方、福知山市にて子育て支援活動に取り組む方など、多様な市民活動グループの方が参加されていました。商店街側からも京都商店連盟の方が参加され、「産官民」が揃うテーブルとなりました。
司会補佐のちーびず推進員の進行のもと、議論が進められました。テーマとしてはおおきく2つあり、「インバウンド(外国人)を取り込むにはどうしたらよいか」そのために「NPOなどの市民活動との連携をどう生み出すか」という点について議論が行われました。すでに伏見の商店街では留学生が参画しての外国人向け商店街案内パンフレットが作成されていたり、魅力ある店舗について紹介する動画の配信などの取り組みが始まっています。
外国人が魅力に感じるものとして、「アニメ(コスプレ)」や「歴史」といったクールジャパンを打ち出していくなどのアイデアが出たほか、受け入れ側の態勢づくりを行っていくことなどが挙げられました。また商店街側も市民グループとの協働を求めているといった意見が出ていました。
そして、議論の中で見えてきた課題は大きく2つありました。
まず1つ目は「外国人を受け入れたくない商店街」もあることです。また、外国人の受け入れを歓迎する商店街であっても、業種によってインバウンドの恩恵を受けられるところと受けられないところが出たり、マナーの問題など地元住民や国内旅行者にとっての不利益をどう防止するか、どう受け入れ態勢を作っていくかは大きな課題です。
2つ目はちーびずを継続するための事業化の視点であり、特にツアーをはじめとした各種事業の「集客」をいかに図るかについて議論が交わされました。すでに「ちー旅」などの企画実施の実績があるグループの意見としては、安定的な集客があれば採算ベースに乗る事業継続も可能とのことであり、「1回だけの補助金よりも、ツアー会社との連携などの施策を府にはお願いしたい」といった前向きな意見も出ていました。
地域の課題解決を「継続する」というちーびずの観点からも、次なるステップとして上記の課題について具体的な企画を進めていくことが求められます。
【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 髙見啓一