第74回 京都ちーびず応援カフェ&交付金説明会 in 京丹波町


 地域力ビジネス応援カフェ&交付金説明会が6月8日(金)、京丹波町の竹野小学校横「若竹センター」で開催され30名の参加がありました。京都府地域力ビジネス課 長友課長による皆さんで地域づくりを「応援しましょう」「応援されましょう」という挨拶の後、(株)京都ものがたりの閔さんから地域に根ざした活動についてお話があり、京都府地域力ビジネス課の堀口副主査から地域力ビジネス交付金の説明がありました。続いて、会場に展示された地域資源・特産品や三部式ドリッコきものの紹介がありました。その後、提供された試食品などを楽しみながら、参加者が4グループに分かれて相互交流と意見交換会が行われ、地域の活性化などのちーびず活動について活発に話合いました。

1.「株式会社京都ものがたり」の活動紹介



 株式会社京都ものがたり開発・営業部部長の閔ナレさんより、活動内容についてのご紹介がありました。
もともとは、NPO法人京都女性起業家協議会として、5年前から京都市内で府内産の野菜を活用した「京都やさいおいる」を開発してきましたが、京都市内では十分に加工できるスペースが確保できないことや、生産者とともに商品作りをすることができないかという想いを持ったことなどをきっかけに、京都府から京丹波町竹野地域を紹介されました。
 まずは地域で顔見知りになることから始めようと、どれだけ忙しくとも、「食彩の工房」で開催されている地域サロンに出向き、地域のつながり作りに取り組み、法人の拠点も京都市内から京丹波町竹野地域へ移しました。そして、空いていた畑を借りて、バジルなどの栽培試験を始め、竹野活性化委員会を中心とした地域の方々の協力も得ながら、現在は17人で「京都やさいおいる」の野菜づくりにつながっています。
 そして、2年前には「京都やさいおいる」が「京の食6次産業化コンテスト」において最優秀賞を受賞。商品が持つ地域ブランドのストーリーや人の良さがあれば、どこにでも売っていけると確信し、NPO法人としての地域活動はそのまま残しながらも、販売活動を独立させて経営を担う(株)京都ものがたりを設立しました。
 地元産にこだわった野菜や加工した「やさいおいる」を通じて地域の産業が回わっていくモデル作りを目指し、竹野地域で生まれ育った子どもが戻ってきても産業おこしができるような土台づくりをしようと、竹野小学校での栽培・加工・販売体験・6次産業学習なども行っています。地域と連携した新しい商品づくりにも積極的に取り組み、地域の酪農家が作るチーズに野菜を練り込んだバジルチーズや、やさいおいるを作った時に出る野菜かすを捨てずに活用するスコーン、健康な「やさいしお」などの開発も続けながら、これからも地域の活性化に努めていくとのことでした。



2.参加者による地域資源・特産品の紹介

 当日は、やさいおいる、地元で採れたバジル等の野菜、チーズやカフェ菓歩菓歩の和知栗を使ったケーキの試食をしながら、感想を言い合った後は、参加者の自己紹介がありました。
 綾部市の志賀郷地区で昔からの製造方法で醤油を作る株式会社今しぼり代表の多田晃さんからは、熟成させた「今しぼり」醤油の紹介がありました。火入れをしないため、体に有効な微生物が生きたままの醤油を自分で育てて、搾り味わうキットや、搾ったあとのもろみを有効活用した調味料などの紹介がありました。
 京丹波町下大久保の西田哲さんからは、下大久保で地域おこしのために栽培されている小梅についての紹介がありました。
 亀岡市の平成"ヨメ学" 中嶋三羊子さんからは、きく芋を活用した「きく芋葉茶」の紹介がありました。


3.グループによる意見交換会・交流会

 グループ意見交換では、4つのグループに分かれて「①ちーびずコラボを作ろう」と「②京都女性起業家協議会のコミュニティスペース活用法を考えよう」をテーマに話合いました。参加者は、それぞれの地域での活動内容を話し合って参考にしたり、ちーびず活動の大切さを実感できる話題で盛り上がりました。
 各グループからは、①としては、参加者同士のコラボとして、「やさいおいる」と「きく芋葉茶」、「やさいおいる」と「今しぼり」などでコラボができないかとの意見や、油を抽出した後の野菜をどのように使えるだろうか、何かとセット販売という売り方が考えられないだろうか、「バジルおいる」の使い方を広げて新しい味の発見につながる提案をしてみよう、などの意見が出されました。
 ②としては、子育て支援のために使ってはどうだろうか、「食」をテーマとして昔の料理法を伝える、交流できるコミュニティとして何か発見ができるのではないか、専門性のあるお話が聞けるようなイベントに使ってみるのはどうだろうか、他地域から来てもらえるイベントをしてもらいたいなど、さまざまな意見が出されました。
 今回は、それぞれの地域で何ができるかを意見交換の中から見つけ出せる良い機会となり、ちーびずコラボの活性化も期待できる応援カフェとなりました。



 

●平成30年6月14日掲載【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 橋本浩司

【問い合わせ先】 京都府地域力ビジネス課(京都府ソーシャル・ビジネスセンター) 電話075-414-4865

 

京都ちーびず(京都地域力ビジネス)