おむつなし育児研究所 京都サロン
~0歳からのおまるで心と体の土台をつくる~
「おむつなし育児」という名前ですが、おむつをするかしないかにこだわっているのではなく、排泄をとおしたコミュニケーションを赤ちゃんととることによって、排泄感覚を失わせず、健やかに育てる方法を広げるために活動している任意団体です。
おむつなし育児の普及のため、講演会やカフェなどのイベントの開催、アドバイザーの養成講座などの他、日本のむかしの知恵や生活文化を伝承したいという思いで、こども対象の講座・食育など活動領域を広げています。
今後の継続的な発展のための支援、組織運営について考えるためハンズオン支援の依頼があり訪問しました。
1.「おむつなし育児」の普及運営の状況
2008年に子育て支援の任意団体として発足し、2013年から今の団体名称で活動されています。日本に伝わる赤ちゃんのお世話を伝承し、現代でも簡単にできる0歳からのおまるの使い方を紹介し、すこやかな赤ちゃんが育つことを目的にしています。
ウェブサイトでの情報提供,講演会、ワークショップ、講座、ブース出展、出版を通じて積極的に活動を行っています。昨年度より、代表が作成したオリジナルのテキストを使って「アドバイザー養成講座」を実施、養成講座修了のアドバイザーがイベントやサロンを開催できるような体制を整えてきており、ともに活動する仲間づくりも進めています。
現在は京都を基点に活動しており、おむつなし育児のための関連グッズを講習会やイベントなどで対面販売していました。
最近では「AERA with Baby」や「VERY」などの全国雑誌で紹介され「おむつなし育児」の認知度もあがっており、遠方からの商品要望も増えてきたため、ネットショップの運営を開始することになりました。そのメイン商品として、おむつなし育児に必要なホーロー製のおまる、「和」にこだわった着物リメイクのおむつカバー、防水風呂敷など、赤ちゃんが産まれたらすぐに役に立つグッズをセットにした「KYOTO育児パッケージ」を企画しました。
将来的にはそれぞれの地域の特産品などの要素を取り入れた「ご当地パッケージ」の可能性も考えておられます。「おむつなし育児」を通して、環境を考え、「和」の子育てを楽しく実践することで、地球と赤ちゃんにも優しい子育てができるということは、今の世の中において、非常に意義があることだと感じました。
2.更なる発展を目指して
「おむつなし育児」にとどまらず、子供の排泄、食育、伝統文化体験教室などの活動を通して、地域での影響力も拡がっています。
また、協力者や専門分野を持つ人とのつながり(助産師さん、裁縫が得意な人、ネットショップ運営の人、講師ができる人など)も増えていく中で、事業規模が拡がっています。
そのため、今後の組織体制、特に「お金」に関する会計管理が必要となってきます。収益事業を確立させ、継続した活動が可能になる体制をどのようにつくっていくかが今後の課題です。
おまるメーカーなどの企業の協賛や行政の助成金の活用も含め、財務体制の強化を図りつつ、他の地域団体との連携などで活動の認知度をさらに拡げ、今後の組織体制を検討していく段階にあります。
●平成27年6月27日掲載 (文責:中小企業診断士 阪本純子)