京都商工会議所よりご紹介いただいた、日本では数少ないハンモックの専門店CURIACE TRADING(キュリアストレーディング)代表の前澤智彦様に、創業から今まで、そして、これからのことをお聞きしました。
私はアウトドアが大好きで、登山靴の輸入代理店に勤務、その後、雑貨の輸入卸会社に勤務しました。しかしながら、経営方針が変わる度に制約をうけるサラリーマンのあり方に疑問をもち、起業を思い立ちました。
そんなとき、ある展示会でハンモックに出会いました。当時、日本では、大きすぎて室内では使い勝手の悪いものか、窮屈で落ちそうなチープなものが主流でした。そこで、「室内で快適に使えるハンモックを、お手頃価格で提供しよう」と考え、インテリアにもマッチした、他社では取り扱いの少ない「チェアハンモック」の販売を始めました。平成26年1月、その時はまだ副業として、ネット販売やイベント販売から始めたところ、十分な手応えがありました。
今後、本業として専業でやっていくには、資金が必要であり、そこで、京都商工会議所に相談に行きました。
会議所では、渕見経営支援員が担当、融資相談をきっかけとして、事業計画書の作成支援を受けました。事業計画書の作成が進むにつれ、当社の強み・顧客ニーズ・資金繰りなど、頭の中で漠然としていた部分が明確になってきました。計画書の作成には約4か月かかりましたが、日本政策金融公庫の「経営力強化資金」から希望通りの融資を受けることができました。平成27年5月から副業ではなく本業として事業を開始しました。
社名のCURIACEとは、Curiosity(好奇心)+Face(たくさんの笑顔)の造語で、「好奇心→行動→結果→そして笑顔へ」のサイクルをたくさんの人と分かち合い、大人も子どももワクワクするようなハンモックを販売したいとの想いからつけました。
私の働き方の理想の根底には、かつての勤務先の上司の「一生懸命遊ばない人は、一生懸命働けない」という言葉があります。わが家は共働きで、子どもは小学校2年生と1歳の双子の3人で、まだまだ手がかかります。私は家族や子育ての時間をとても大切にしたいと考えております。独立開業後は、会社勤めの時よりは、自分たちの生活に合わせて働けるようになりました。「遊ぶときには遊んで、働くときには働く」とメリハリをつけて、仕事と遊び、家庭を両立させることによって、私の理想のワークライフスタイルを実現しつつあると思っています。
私が扱っている商品はハンモックですが、ターゲットは私のような「30代・40代の家族」で、ハンモックを通して提供したいのは「快適で価値あるライフスタイル」です。家族を大切に「遊び・働く」ということを実践し、これからも一層生活を豊かにする商品を提供することを通して、世の中に幸せを広げる事業を進めていきたいと思います。
まず、ハンモックは、本来レジャー用品ではなく南米の「寝具」であることをアピールし、リラックスできるインテリアということを世の中に広げていきたいと思います。
また、取り付け方や使い方などに不安がある方が少なくありません。もっとハンモックに関する基本的な情報を発信していく必要があります。
最近は、住宅展示場のイベントでハンモックの体験があったり、ハンモック付の分譲マンションも販売されるようになりました。これに伴い、ハンモックを取り付けるノウハウを持った業者も増えてきて、ハンモックの需要も広がりつつあります。
また、ハンモックの試乗は、当社の一番の特徴であり、イベント販売時の試乗をはじめ、卸売先の小売店にも試乗スペースの確保を勧めているところです。
今後は、このようにハンモックの良さを広めつつ、「イベントでの販売」「ネットでの小売」「アウトドアショップや雑貨・インテリアショップへの卸売」を積極的に展開していきます。そして、将来的には、ハンモックでリラックスできる「ハンモック・カフェ(飲食)」をやりたいと考えています。
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【京都商工会議所 経営支援員 渕見政裕氏より】
創業計画書作成から支援が始まりました。'自ら考え抜いて悔いのない創業を'という想いから、何度も書き直しを依頼しましたが、本当に粘り強く真摯に対応されたことを覚えています。創業後は、理想とするワークライフバランスの生活スタイルを実践しながら売上実績も着実にアップしています。今の時代だからこそ、楽しい生活を演出する'ワクワクする商品'で皆さんをハッピーにして欲しいと願っていますし、前澤さんなら実現できると思います。
(取材:阪本純子)
CURIACE TRADING(キュリアストレーディング) |